「20代がPC離れ」というデータをどう読むべきか?まだ消化し切れてないので新たなグラフでこの傾向を読み直してみた。新しいグラフでは、2006年のデータを左に配置し、2000年の一ランク若い世代と並べて比べて、6年前は一つ若い世代だった層の経年変化としても見えるようにしたものだ。まずはグラフをご覧いただこう。

1. 2006年の家庭PCでのWeb利用度は1世代若い2000年データにかなり近い
世代が入れ替わるのは当たり前だが、2006年の20代、30代、40代それぞれの利用度数は6年前の1世代若い世代データにかなり近いことに改めて驚いた。「6年前の20代はPCでWebを見ていたのに....」という見方よりも、「6年前の利用度がその程度だったから世代が入れ替わっても同じ傾向のままだ」という説明が妥当にも感じられる。
2. 1996年に10代だった世代は、家庭娯楽としてのPCにあまりなじんでいない
このグラフから見て「20代はPCでなく携帯に
流れた」というような表現はあまり適切ではなさそうだ。1996年に10代だった世代は、Windows 98や2001年9月にYahoo! BBが口火を切ったブロードバンド革命よりも1999年に始まるiモード時代の影響を強く受け、携帯電話をより多く使ってきたとかの説明がより的確に感じられる。「お父さんのパソコン」を借りて使うくらいなら自分の携帯電話で用を済ませたいし、それに慣れているから家でパソコンを使うという習慣が育たなかったのではないかとか想像される。
PCは携帯電話に無い魅力を提供できるのか?Microsoftの布石の先を読む
2006年の20代が、家庭PCからWebアクセスしていないのなら、何か画期的な魅力や動機が無い限りPCによるWebアクセスを始めないだろう。携帯電話の事業モデルのPC化が進んで、インターネットへのアクセス帯域が大きく広がろうとしている今、そこをさえぎってPCへと主流を戻すのは容易ではない。
たとえば、高解像度ディスプレーを複数組み合わせる超高解像度環境のメリットとかは、日ごろPCでもう少し画面が広ければとか思っているから分かることであり、携帯電話からPCに乗り換える魅力にはしにくい。今話題の仮想世界とかの画期的な新しいことか、逆に携帯電話や各種デジタルデバイス、そして家電へとPCが入っていったり、繋がったりとかしないとPCの利用を増やすことは難しいだろう。
さて、PC市場拡大が利益の源泉であるマイクロソフトはこのPC市場の行き詰まりを、10年近く前から恐怖し、そのための対策をいろいろ考え実施してきた。たとえば、「何にでも使える情報箱=Xbox」を企画して、結局ゲーム機という位置づけで世に売り出し、日本市場はともかく北米での普及へと繋げてきた。Vistaも10フィートUIという名のリモコンインタフェースなどPC本流の進化・拡大を狙っている。その一方で携帯電話にWindowsを入れたスマートフォンの拡大にも熱心だ。
このように、さまざまな手を打っているMicrosoftだが、結局のところ携帯電話の主流は従来型の延長線の先にありそうで、スマートフォンはニッチだ。そもそも、PCの成功サイクルのモデルと携帯電話モデルが違うので相乗効果を生みにくい。ゲーム機も携帯型へというトレンドにはまだ乗れていない。
次の手は、軽くなった Vista 2.0 という期待
個人的な期待を込めた予想は、Windows Vistaの軽量チューン版、Vista 2.0(仮称)を早期に出してくることだ。ハードウェアの進化を想定してOSを大きくしてきたのがMicrosoftの歴史だが、Vistaはそのハードの進化の斜め上を行ってしまった感がある。
そこを悔い改め、Windows NT 6.1にあたるVista 2.0を早期に出してくれることに期待したい。OSは肥大化し続けるという過去の悪弊に決別し、軽さを維持したチューンナップを続けていれば、ハード側の進化で用途が広がるという進化のエコサイクル(生態系)を生み出せると期待しているのだ。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
多聞 on 2007/03/13
PowerYOGA さん、ようこそ。
サービスがサーバー側へ移り、デスクトップOSの進化が重要じゃなくなるという点には賛成です。
でも、操作の慣れの問題が大きいので、XPの売り止めを急ぎかつ、Vista Basicを止めるとかいう致命的なへまが無い限りMicrosoftが主流であることは変わらないと見ています。今のMac OSは十分軽量でよくできていますが、Windowsとの「作法」の違いで一般人が乗り換えるには動機がまだ弱いと思うのです。
この構図が崩れるパタンは思いついたのですが、長くなりそうなので別途記事にまとめますね。
多聞 on 2007/03/13
総務省のデータとは自分でも以前掛け合わせてみましたが、見直してみたら明らかにおかしいので、止めた方がよいと思います。
平均を100として2006年の40代の指数は200近くなっていますが、ウェブ利用率はこの時点で平均50%を越えています。ということは、40代は100%ウェブを利用していることになってしまいます。(2000年時点ではまだ利用率平均30%なので30代の指数が200オーバーでも6割となりますが)
つまりネットレイティングスのサンプルになんらかの偏りがあると見た方が自然かと思いますがどうでしょう。
それが間違いとはいいませんが、少なくとも通信統計と掛け合わせるとおかしくなるので止めた方がよいかと思います。
めめ on 2007/03/13
坂本さん、こんにちは。
私も「軽量指向OS」には期待しています。ただし、MicrosoftではなくAppleにですが。「インフラが整い、秀逸なWebアプリが出そろってくるにつれOSの差異は重要ではなくなる」との見かたもありますが、私は「Webアプリ前提の運用に一早く順応できた勢力が、相対的な優位性を得る可能性は大いにある」と思います。そして、最も有望なのが、ハードとOSの両方を手がけ、Googleとも親密なAppleだろうと。
PowerYOGA on 2007/03/13
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めめ さんようこそ。
そうですね。統計を掛け合わせるのは不用意にすべきでないですね。過去あちこちでその手の処理に突込みを入れているので自戒しておきます。
ご存知かと思いますが、総務省データにおけるパソコンには家庭と職場、学校、インタネットカフェなどとかの区別が無いので、その分食い違う別のデータです。また、調査方法が、ツールを使った視聴時間調査と郵送による調査票の配布及び回収という違いがあるので傾向が違うはずです。20代の単身家庭で回答率が低いとか、中高年でネット利用者の方が回答率が高いとかいうことはありえます。
それぞれ制約と性質を理解して理解、分析していくつもりなので、何か間違いがありましたらご指摘よろしくお願いします。